狂気のやすらぎ

狂気のやすらぎ 狂気のやすらぎ
(1989/12)
ポール セイヤー

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重度のカタトニー(緊張病)で精神病院でこれと言った治療もされぬまま
何年もの間寝たきりのピーターは
自分で食事をすることもトイレに行くこともできず、
隣のベッドで寝ている患者が自傷行為を始めても、
看護師を呼ぶことすらできない。
そんないつもと変わらない生活を送るピーターに一人の女性が会いに来たことで、
ピーターの平穏な日々が崩壊する様を描いた小説。
著者のピーター セイヤー氏はイギリスの精神病院で看護師として
勤務していた経験がある人で、
実際にピーターのような患者に会ったことはなかったかもしれないけれど、
病院の雰囲気や患者の様子がとてもリアルで、光景が目に浮かぶよう。
「狂気のやすらぎ」は彼の処女作でありながら、
ホイットブレッド文学賞の選考で1988年ブックオブザイヤーに輝いたそうです。
その賞がどれだけすごいものか知りませんが、秀作です。
何も語らず、意思表示もできない体の中で、頭の中で
自分の置かれている状況が全て分かっているピーターの冷静さと、諦め。
拷問に近い責苦を味わわされながら思いだす、幼い頃の家族との生活。
行方不明になった母、親戚の家に行ってしまった姉、
心身ともに病み、腐り果てながら死んだ父。
それを横目に一つも言葉を発することなく生き残ったピーターと
彼を待ち受ける運命。
憂鬱になること請け合いです。
しかしそこを決してただの憂鬱なだけの小説にしなかった
ポール セイヤー氏は素晴らしいと思います。
ところでこの小説の原題「The Comforts Of Madness」というタイトルと
同じタイトルのCDをPale Saintsというバンドがリリースしています。

The Comfort of Madness The Comfort of Madness
(2007/07/31)
Pale Saints

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この小説から取ったタイトルだそうです。
何やらかなりの名盤らしいのですが、残念なことに廃盤となっています。
密林中古もかなりお高い!
ということで、YouTubeで探しました。

小説のイメージに、シューゲイザーは合ってるかもしれない。
ちゃんと聴いてみたいなぁと思うんですが、
海外の密林も結構値段高いし、どっかのBOOK OFFとかで
シレっと売ってないかな・・・。

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