オシムの言葉

オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える (集英社文庫) オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える (集英社文庫)
(2008/05/20)
木村 元彦

商品詳細を見る

所謂、語録とか、生き方の知恵になる本のような物かと思って
知ってはいたけど読んでいなかったのです、あんまり興味もなかったし。
しかし先日読んだ「悪者見参」の著者が木村元彦氏ということで、
読んでみることにしました。
夜更かし(早起き)したので行きの新幹線の中では寝るつもりで、
その他の待ち時間とかがあるかもしれないので持っていったら、
新幹線の中が寒過ぎて眠れないという惨事に見舞われ、
帰りの新幹線に乗る前も時間があったので結局全部読んでしまいました。
仮に2010年W杯の日本代表をオシムが率いていたら、
日本はベスト16に入れたのかどうか。
日本代表が弱かったW杯目前、
「オシムが監督なら・・・」と言う人が多かったけど、
実際にどうだったのか、もしかしたら結局同じだったのかも知れないけど、
現実はオシムが倒れ、岡田監督になり、W杯で16強、これが唯一の結果。
だと、ワタシは思います。
戦術を語るだけではなく、選手の心を掴み、
モチベーションを上げることが天才的に上手い。
スタメンを外されるどころかベンチに入れても貰えない選手でも、
オシムが素晴らしい監督だと口を揃えるのは、
相手のチームの戦術や特徴をもつかみ、その時に使うべき選手を
きちんと使ってくれて、
各選手の長所短所含め、努力もちゃんと見ていてくれるから。
旧ユーゴ監督時代、どの民族の選手とか関係なく、
戦える選手を使っていて、コソボのアルバニア人11人で揃うなら、
それでユーゴ代表として戦うとも言いました。
逆に各国メディアが「うちの国の選手を使え」と主張する3人を
W杯の初戦で一度に使い、
結局突出した才能を持つ選手を3人同時に使っても勝てないことを証明。
W杯の貴重な初戦をわざとそうやって捨てる勇気ってのもすごいし、
その後はきちんと使うべき選手を使って勝ってるところもすごい。
セルビア人、クロアチア人、ムスリムが同比率で住む、
ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のオシムは、
いい喩えではないかもしれないけど、旧ユーゴのチトー大統領に
近いものがあるのではないかと思いました。
政治的にやむを得ない事情もあり、ユーゴ代表として戦えなくなって、
チームを抜けていった選手や、
ボバンのように自国への愛情から進んで抜けた選手もいたけれど、
しっかりした信念と哲学を持ち、
選手への公平な愛情と厳しさを持ったオシムだからこそ、
ユーゴスラヴィア連邦末期のプラーヴィを
強いチームにできたのだろうなと思います。
紛争のせいで家族とも引き離され、各国メディアに色々言われ、
紛争で荒れた祖国ボスニアの為にできることはこれだけだと言って、
旧ユーゴ代表を辞任。
代表監督の気苦労、葛藤、察するに余りあります。
ここしばらく、プラーヴィや旧ユーゴの歴史に関する本を読んだり、
動画や映画を観て、
どこの国でもいいから、オシムにW杯を獲って欲しいと思いました。
この人はW杯優勝監督に相応しい人で、
もしかすると94年W杯でブラジルを抑えて優勝してたかも知れない。
「これだから平和ボケした日本人は甘いんだよ」と言われそうだけど、
旧ユーゴとプラーヴィ、オシムやピクシー、
挙げたらキリがない旧ユーゴの国々の選手のことを考えると涙止まりません。
そりゃあ好きなチームがW杯決勝でPK戦で負けるのも
トラウマになるレベルの悲劇ですよ、アッズーリとかアッズーリとか(泣)
でもオシムが率いたプラーヴィは、稀にみる黄金時代で、
ちょっと海外サッカーに詳しい人なら誰でも知ってるような強豪チームで活躍した
世界トップレベルの選手が当然のようにいて、
それこそ「こいつ何でスタメンじゃないの?!」って選手がボロボロいるような
超強力な代表チームを世界的名将が率いていたわけですよ。
そんなチームが、チームや選手、監督やスタッフに何の非もないのに
世界大会から追放されるようなこと、悲劇以外の何物でもありません。
サッカー史上、上から5番目に入る悲劇です。
前の「悪者見参」を地下鉄で読んでる時も、
「オシムの言葉」を新幹線やカフェで読んでる時も、
人がいるってのに独りでグズグズ泣いてましたw
ただ、スカパーでW杯の解説をグラーツからやっていたときのオシムは、
退屈な偏屈ジジイがサッカー観ながら
ぐちぐち言ってるようにしか観えませんでしたねw
スタジオのクラッキーなんか中々スタジオに戻してもらえなくて、
時間もないし、ちょっと困ってたよねw
でもこのオシムって人は、サッカーに関して何を言っても許される、
数少ない人物なのだろうと、彼の考え方や行動、指導方針、
背景やキャリアを知れば知るほど感じました。

オシムの言葉」への6件のフィードバック

  1. エスキルストゥナ

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ピコピコkentでも、カッコよければよし。
    U2の変遷に似ているので、数年後にはVapen & Ammunitionに戻ると勝手に予測。
    ところで、先週帰省して、3年ぶりに食べた一番山のラーメンに幻滅。ピコピコkentどころではなかった。

    返信
  2. KAORIE

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    どーも、いらっしゃいませ。
    > U2の変遷に似ているので、数年後にはVapen & Ammunitionに戻ると勝手に予測。
    U2のことはよく分かりませんが、ワタシも同じように予測しています。
    > ところで、先週帰省して、3年ぶりに食べた一番山のラーメンに幻滅。ピコピコkentどころではなかった。
    帰省して一番山ということは、エスキルストゥナさんは福岡の方ですか?
    一番山って調べたら、今年地元の飲食チェーンに買収されたのだとかですね。
    そんなのも影響があるのかどうか・・・

    返信
  3. エスキルストゥナ

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    Hej!
    U2のアルバムZOOROPA、POP はピコピコ路線。Lemonとか、Discothequeとかは代表格。Discothequeはカッコいいですよ、Taxmannenと同じくらいカッコいい。
    ちょっと前に、エスキルストゥナの近くに住んでいて、さらにその前は福岡に住んでました。というか、福岡育ち。
    一番山買収されたんですね。どうりで、メニューが全然昔と違ってた。塩とんこつと醤油とんこつってのがあって、昔のとんこつラーメンはどっち!と思いながら、塩とんこつ頼んだら、しょっぱいだけのスープで幻滅した。楽しみにしてたのに・・。
    Vapen & Ammunitionでは、やっぱFFですか?FFもカッコいい曲よね。

    返信
  4. KAORIE

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    U2、虫食い的にというか、ラジオやPVのヘビロテ曲しか知らないので、
    色々聴いてみようと思います。
    「Vapen & Ammunition」はアルバムトータルで好きですが、
    曲単体で選ぶとなると「Parlor」か「Socker」・・・かな、その時々で変わります。
    エスキルストゥナという街を知らなかったのですが、今調べてみたら、
    ABBAのフリーダが歌を歌い始めた街なんですねー。
    スウェーデンってそれぞれの街に色んな音楽の歴史がありそうで、
    各地、都会から田舎まで回ってみたいです。
    「住んでいて」ということは、お仕事とか留学とか?
    一番山、そうらしいですよ。
    とは言っても福岡市の西側なので、ちょっと遠くて行ったことはないのですが。
    ラーメン屋さんも色々変わってます。
    長浜地区の元祖長浜屋(家?)も場所変わってしまったし。

    返信
  5. エスキルストゥナ

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    あれ、kentはEskilstuna出身じゃなかったっけ?
    スウェーデンは仕事で数年間住んでいました。2002年に行って、初めて買ったのがVapen & Ammunition。当初は仕事等でいろいろ苦労したので、Vapen & Ammunitionを聞くと苦労を思い出します。
    元祖長浜屋も行きました。あいかわらず、まずいですが、なぜか、食べたくなる。
    そういえば、kent、6月にまたアルバムだしてたんですね。Youtubeで聞いたら、たしかに、ピコピコしてる。アルバムタイトル、ジャケットもなんか夏をイメージさせるけど、kentと言えば、やっぱ、冬の暗闇の中で歌わないと。CD買って、よく聞いてみます。

    返信
  6. KAORIE

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >Eskilstuna
    そうだ!
    Kentのバイオ見てもアルファベットで字を追ってるだけで、
    発音まで気にしてなくって、全く結びつきませんでした。
    2002年と言ったら、ちょうど「Vapen」リリースの頃ですか。
    ラジオやTVでかかりまくってたんでしょうねー。
    「En plats i solen」はジャケットとタイトルは夏っぽいけど、
    全曲聴くと、特別夏っぽいわけでもロハスな感じでもなく、
    どうしてこういうジャケットとタイトルなのか謎でした。
    「Vapen」のようなアルバムのまとまりはないけど、
    ちょっと地味ながら、いい曲が多いなーという印象です。

    返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です