ユーゴと映画とマラドーナ

マラドーナ [DVD] マラドーナ [DVD]
(2010/06/09)
ディエゴ・アルマンド・マラドーナ エミール・クストリッツァ

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映画「マラドーナ」オフィシャルサイト

サッカー選手としてのマラドーナを知るなら、
過去の試合の映像やゴールシーンをネットで探して観ればいいし、
生い立ちや波乱万丈の人生はW杯前後のスペシャル番組や、書籍、
ネット上でも紹介されているので、それでも十分。
この映画では、マラドーナと、彼を取り巻くサッカー界と、
政治や国同士の外交上のあれこれ、
そんな国レベルとしてのマラドーナと、
家族の中でのディエゴ マラドーナという1人の人間に
スポットを当てて作られています。
監督は「パパは、出張中!」や「アンダーグラウンド」のエミール クストリッツァ。
はっきり言って、マラドーナに何の興味もない人は
全く観る必要のない作品だと思います。
普通のサッカーのレジェンドのドキュメンタリーだと思って観ると、
肩透かしを食らったような気分になります。
クストリッツァ監督の「アンダーグラウンド」や「黒猫・白猫」を観て、
この監督の映画を好きになった人が観ても、面白くないと思います。
クストリッツァ監督の映画につき物の音楽も、
アルヘン本国で人気のマラドーナを称える「Mano A Mano」とか、
「アヴェ マリア」のマラドーナVer.とか(笑)が多くて、
音楽目当てでも微妙かも知れません。
でもマラドーナ大好きな人は、観といてもいい映画だと思います。
身軽なチビデブっぷりが最高ですw歌も披露しています。
W杯で観足りなかったので、これで補っています。
あと得点映像でサッカー誌のジャーナリストが語ってるんですが、
映画とインタビューと今回のW杯でのマラドーナを観てると、
何かが綺麗に繋がります、非常に面白いです。
ところで、監督のエミール クストリッツァですが、
旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナ出身。
彼の映画にはユーゴスラビアの歴史を題材にした映画もありまして、
「アンダーグラウンド」はそれを寓話的に描いた作品です。
DVDは廃盤で、AMAZONでは15,000円前後で売られていますが、
某ニコ動でも全編観られます。
クストリッツァ監督は自分もサッカーをしていたそうで、
「マラドーナ」の中でマラドーナと一緒に
レッドスターベオグラードのホームスタジアムで
リフティングして遊んでるシーンもあります。
レッドスター ベオグラードといえば、現名古屋グランパスの監督、
ストイコビッチ(以下ピクシー)も所属したことがありますが、
ピクシーは1990年のW杯の準々決勝でマラドーナを擁するアルヘンと対戦。
そしてそのときのユーゴスラビア代表監督が、残念ながら病気のため
最後まで日本代表を率いることはできませんでしたが、
現在スカパーでオーストリアから中継でサッカー解説をしているイビチャ オシム氏。
PK戦の末敗退してしまいますが、その時にマラドーナがピクシーに
「泣くんじゃない、君はまだこれからじゃないか」と声をかけたのは有名な話です。
マラドーナって破天荒でいつも誰か(ペレとかペレとかw)と舌
戦ばっかりしてるみたいですが、優しいというか、
すごく人がいいんだなー。
しかしユーゴスラビア内戦が勃発し、ユーゴスラビア代表は世界大会への
出場資格を剥奪されてしまい、次に国際舞台にユーゴ代表が戻ってきたのは、
1994年の12月、W杯アメリカ大会が終わった後でした。
1998年フランス大会ではユーゴスラビア代表は出場しましたが、
実質的には「セルビア・モンテネグロ代表」
この時旧ユーゴの国で独立したクロアチア代表が日本と同じグループに入り、
結局3位まで勝ち進んだのは記憶に新しいと思います。
もしもこの時、ユーゴスラビアが崩壊していなかったら、
決勝トーナメント1回戦で敗退したユーゴスラビア代表と、
3位になったクロアチア代表、どっちの道を辿っていたのかと思うと、
何とも複雑な思いです。
ユーゴスラビア(セルビア)=悪という風潮が根強かったのだから、
クロアチア代表>ユーゴスラビア代表という結果は世界的にはよかったのか。
wikiソースであれですが、この時日本代表の応援で
フランスに行っていた日本人のファンが
ピクシーを応援しにユーゴスラビア代表の試合に来ていて
大変喜んだのだそうです。
それが現役引退まで日本にいた理由なのだとか。
そしてピクシーの師であるオシム氏はボスニア ヘルツェゴビナ出身。
「マラドーナ」のクストリッツァ監督と同郷です。
どうやら親交もあるようで。
それを聞いて、W杯でいつも気付くと旧ユーゴ諸国を応援しているワタシは、
クストリッツァ監督にユーゴスラビアサッカー史のドキュメンタリーを
撮って欲しいなぁなんて思ったのであります。
色々難しいこともあるんでしょうけどね。
参考までにユーゴスラビア代表のwikiのページ
ユーゴスラビア史ってのは、幾ら暗記しても、
どうしてもピンと来ません。
国が分裂したって言われても「大変だったのねー」としか、
他に言いようもないです。
日本代表とイタリア代表の試合で、ワタシがついイタリア代表を応援してしまうのと、
ユーゴスラビア代表ホームの試合で、
「ユーゴスラビア人」がアウェーの国を応援したのとは
根本的に全然違います。
マラドーナからずいぶん離れてしまいましたが、
クストリッツァ監督の「マラドーナ」は
広い意味で色々考えさせられる映画でした。
特にオススメはしませんが、興味がある方はぜひ。

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