私なら彼の芸術、分かると思うの

そんなこと言われたら、僕だったら
ほかの誰にゴミ扱いされてもいいから
全身全霊かけて物書いちゃうだろうなぁ、その人のためだけに。
なんて思って、期待して観に行ったんですが、「アキレスと亀
期待外れー。
何て言うか、色々惜しい映画だったんだなー。
以下ネタばれ、開いて読んでね。


一番「これはちょっとーーー?」だったのは、
中年時代の真知寿を演じたビートたけし。
寡黙な893の役なんかはカッコいいんだけど、
今回の役は合わない、ビートたけしを脱皮できてない。
たけしさんは役者としてはキムタク型(何をやっても自分自身から抜けられない)。
この真知寿の役は憑依型の俳優にやってほしかったです。
柳憂怜が演じた青年時代の方がまだよかったけど、
でも何か弱かったなぁ、ビジュアル?(苦笑)
キャストが全体的にイマイチだった。
幼少時の男の子とか、真知寿が預けられた家の旦那役の大杉漣は
よかったと思うけど。
あ、あと、寺島の兄貴はやっぱり893チンピラが似合う(笑)
もう1つ、真知寿の妻の幸子が
「私なら彼の芸術、分かると思うの」と言って結婚したけど、
そこら辺の描き方が貧弱だった。
あえてさらっと流してるのかも知れないけど、
「真知寿の芸術が分かる」のか
「真知寿の芸術が好き」なのか
「芸術家である真知寿が好き」なのか
例えば「この世界の99.9%の人間が真知寿の絵をゴミ扱いしても、
本当は才能がないのだとしても、自分だけはこの人の絵が好きだ」と
言い切れる雰囲気も伝わってこないし、
真知寿という人間が好きで好きで仕方ないから、
真知寿のやることを応援したいのかも知れないけど、
それも何となく中途半端にしか伝わってこないし。
役者の演技力なのか、脚本のせいなのか、演出のせいなのか。
ストーリーは悪くないんだけどなぁ。
死んでゆく人間と、生き残る人間の対比も巧かった。
北野武の映画は「死」の描き方が巧いと思いますから。
一番印象的だったのは、青年時代の真知寿が美術学校仲間と飲んで、
その帰りに1人の仲間が突然歩道橋から飛び降りるシーン。
前に酒を飲んでいたバーで、死んだ友人は「クスリ」を飲み、
真知寿はすすめられたけど断った。
あの一連のシーンはすごく不穏な感じと、静けさと、
突然何かを奪い去られた瞬間に、悲しみより先に来る感情を
巧く描いてたなと思います。
そんないいシーンもあったけど、やっぱり全体的にイマイチ。
これは賞は取れないかも知らんなーと思いました。
あとこの映画を観て、漠然と感じたこと。
世間やメディアで「天才」と呼ばれる人は多いけども、
実際はそのほとんどが「普通の人より才能に恵まれた人」で、
「本物の天才」なんてそんなに滅多にいないんだよなぁと。
人間100年生きてて、自分の周りなり同じ時代なりに
1人いればいいのかも知れない。
「本物の天才」なんて、普通の人間と遺伝子レベルで違うんだと思います。
あ、あとボビー オロゴンとか電撃ネットワークとか、
大竹まこととか、そういう意味の分からないチョイ役が笑えました。
で、何か消化不良で家路に着いたのですが、
小腹が空いたので、最近上川端商店街にできた
スープカフェによりました。
600円でスープとサラダとパンのセット。
美味しかったです、ご馳走様でした。
写真はコラーゲンスープセットとお店の外観。
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