正月映画鑑賞日記。

正月休み、どこも行きたくないし、
かと言って1日寝て過ごすなんて器用な真似もできないしということで、
ずっと観たかった映画のDVDを4本レンタルしてきて、
昨日1日、家(自分の部屋)に引き篭もり、
PCで独り映画鑑賞をしておりました。
観た映画の感想を、鑑賞した順に。
評価は★5が最高です。
1、「Bad Education」
ペドロ アルモドヴァル監督、ガエル ガルシア ベルナル主演。
アルモドヴァル監督の映画はどれを観ても、
溢れるような鮮やかな色彩です。
時にはそれが毒々しく映ることもありますが、
ストーリー、キャラクターの毒々しさを
逆にドライにしてくれている気すらします。
映画監督のエンリケのもとに、
寄宿学校時代の友達、イグナシオと名乗る男性がやって来る。
しかし彼は自分を「アンヘル」と呼べと言い張り、
自分の書いた作品、
過去のエンリケとアンヘル(イグナシオ)の物語を映画化し、
自分に主人公のサハラを演じさせろと言う。
しかしエンリケはどうしても、
アンヘル(イグナシオ)が、寄宿学校時代の友人である、
イグナシオだとは俄かには信じがたかった。
アンヘル(イグナシオ)とエンリケの現在の関係、
イグナシオ(アンヘル)とエンリケの寄宿学校時代のこと、
寄宿学校で何が起きていたのか、
アンヘル(イグナシオ)が書いたと言う小説の登場人物、
サハラとは一体誰なのか。
そもそもアンヘル(イグナシオ)は本当に、
エンリケの友人のイグナシオなのか。
こんな時間軸があちこち、現実と小説の世界を行ったり来たり、
時々頭が混乱することもありますが、ことの真相がクリアになり、
イグナシオからエンリケへ宛てた、
短い手紙を読んだエンリケの気持ち。
そこをどろどろ描かないドライさ加減がまた素晴らしい。
かおる(り)的評価 ★★★★
2、「青い棘」
ドイツの映画だそうです。
「グッバイ レーニン!」や「戦場のアリア」で好演を見せてくれた、
ダニエル ブリュールが出ています。
青春恋愛映画なのですが、複雑な恋愛関係と、
それに巻き込まれて狂気に陥っていくギュンターを演じていた、
アウグスト ディールって俳優は何者なんですか、一体!
愛する人を見つめる視線がカメラ目線だったりすると、
画面のこっち側にいるのに、自分が見つめられてるみたいです。
情熱と狂気と空虚さが混じった瞳と表情。
ストーリーは特筆すべきところはありませんでしたが、
とにかくアウグスト ディールがよかった。
そしてギュンターと、ギュンターの妹のヒルデ、
両方に愛されるハンス。
どこが良いの、あいつ。
かおる(り)的評価:★★★
※アウグスト ディールくんに関しては★★★★★
3、「アワー ミュージック」
ジャン リュック ゴダール監督の映画。
音楽映画みたいですけど違います。
映画が3部構成になっていて、1部は戦争の映像のコラージュに、
時々モノローグが入ります。
2部はゴダールの公演を聴きに行ったオルガとゴダールの
魂の交換。
3部は2部で殉教を選んだオルガが、
アメリカ兵が警備する楽園で散歩をする映像。
この映画、すごく観たくて楽しみにしてたんですが、
全然ダメでした。
素晴らしいって意見が多いけど、何か全然合わない。
ゴダールが何を言いたかったのかって、
評論家や観た人がいろいろ語ってるけど、
どれも「そうか?」くらいにしか感じないです。
観る人が観たら良いのかも知れないけど、
僕はダメでした、全く理解出来ない。
そもそも登場人物が、誰が誰なのかさっぱり分からない。
オルガってどの人だったのか、
最後まで観ても分からない。
3部で歩き回ってた人なんですけど、
2部で出て来てた女性の中のどの人ですか?って。
かおる(り)的評価:
4、「めぐりあう時間たち」
「ダロウェイ夫人」は未読ですが、
「オーランド」で好きになった作家、ヴァージニア ウルフ。
「ダロウェイ夫人」を執筆するヴァージニアの1日。
愛する家族と幸せな生活を送っているはずなのに、
精神的に満たされず、神経を病むローラ ブラウン。
AIDSに侵された友人で作家のリチャードが賞を取り、
そのパーティーを開催しようと朝から街を奔走するクラリッサ ヴォーン。
3人の女性の1日を絡めて、愛とか、生きることとか、
人間の内面とか、死とかを描いた作品。
観た人の感想を観ると、好き嫌い別れそうでしたが、
僕は好きです。
「ダロウェイ夫人」を読んでいなくても、
心に迫るものがあります。
心に迫りすぎて、まだどんな感想書いて良いのか分かりません。
3人の女性の複雑な愛とか心理が、とても繊細で、
美しく描かれていると思いました。
そして俳優陣が素晴らしい。
特にリチャード役のエド ハリス。
ただ、ちょっと物足りなかったところが数箇所ありました。
○ヴァージニアと姉のヴァネッサの関係
○ローラの恋愛志向
○クラリッサとリチャード、リチャードの元彼の関係
全体を通して、とても丁寧に仕上がっていて、
その中でもこの人物たちの描写が印象的だったので
もっとこの3点のエピソードを詳しく知りたかったなぁ。
ヴァージニアに関しては、
彼女のことを調べれば分かるのかも知れないけど。
それにしても、この映画のように、
色んな時間軸があって、
それを複雑に絡み合わせて書かれた物語は大好物です。
それが最後に全部1つにまとまった瞬間は、
言葉に言い表しがたい感動を覚えます。
でも「スライディング ドア」みたいな、
「もしあのとき、こうしていたら?」という
時間のパラドックスを描いた物語も好き。
「時間」と言うのは、人類最大のテーマだと思いますよ。
「何、勝手に人類代表してんの」って怒られそうですが、
もしも自分が死んでしまっても、
地球が消えてなくなっても、
宇宙までもが破滅してしまっても、
時間だけは流れていって、
時間が流れるということは、それだけで、
何かが変わっているということですからね。
話が逸れました。
とにかく、この「めぐりあう時間たち」は琴線に触れました。
昨日寝る前に観て泣きすぎて、
今日は1日外に出るときは、
目が殆ど隠れるくらい帽子を目深に被ってました。
今(17:30現在)やっと、左目が二重に戻ってくれました。
かおる(り)的評価:★★★★★
と言うわけで、正月休みは今日で終わり。
しかし日曜、月曜とお休みなので、
また2本DVDを借りてきています。
それはまた、鑑賞後に感想など。

正月映画鑑賞日記。」への2件のフィードバック

  1. ヤング

    SECRET: 0
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    どもです。
    俺はマーティン・スコセッシが好きなんだけれども、あまり「この夏大ヒット間違いなし!!」みたいな超大作には興味ないですね。
    今興味あるのはパゾリーニ、フェリーニ、ファスビンターみたいな「撮ってる監督がちょっと普通じゃない」映画ですね。

  2. かおる(り)

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    そうですねぇ、最近そういう興行成績No.1を売りにしてるような映画、
    殆ど観なくなりました。
    パゾリーニなんかは映像は本当にえぐいけど、
    きっと極めて緻密に計算されたシナリオがあるんだと思いますよ。
    「え、これ観てどうなれって言うの・・・?」って、
    どこにもカタルシスを見出せない芸術なんて、
    どこまでも計算されつくしてないとできないんじゃないのかなぁ。
    拾えなかったけど、その計算の答え。
    自分の中では観なかったことになってるけど(苦笑)、
    「ソドムの市」観たんですよ。
    それに関してはノーコメントの方向で。

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